分析方法とは

分析方法とは

定性分析、定量分析、判定方法の解説

分析方法とは

1. 定性分析を行い、アスベストが含まれているか、いないかを判定する。
  ↓ アスベストの含有が確認された場合
2. 定量分析を行い、アスベストの含有量を測定する。

また、アスベストを含有しているおそれのある天然鉱物は、JIS A 1481 の適用範囲から除かれているため、その鉱物を原料として使用する場合のアスベスト含有率の分析は、以下の通達(厚生労働省)の分析方法によります。

定性分析

X線回折装置によるX線回折分析法、および位相差顕微鏡による分散染色分析法などの2種類の方法により定性分析を行い、アスベストの有無を確認します。


X線回折分析法

アスベストにX線を照射すると、アスベストの種類に応じて特有の回折角度に回折ピークが得られます。その回折ピークの有無から、アスベスト含有の有無を確認する方法です。


分散染色分析法

試料の形状、および屈折率による色の変化で、アスベストの有無を識別する方法です。

定性分析の判定方法

X線回折分析法、および分散染色分析法の結果から、以下のようにアスベストの有無を判定します。


「アスベスト含有」となる判定結果

分析結果の組み合わせが、次の①、②、③になる場合は、「アスベスト含有」と判定されます。

① 繊維状粒子4繊維以上(分散染色分析法)、かつ、
    1試料でもアスベストの回折ピークあり(X線回折分析法)

② 繊維状粒子4繊維以上(分散染色分析法)、かつ、
    全試料にアスベストの回折ピークなし(X線回折分析法)

③ 繊維状粒子4繊維未満(分散染色分析法)、かつ、
    1試料でもアスベストの回折ピークあり(X線回折分析法)
           ↓ この場合は、再分析を実施
  分散染色分析法による条件を変えた再分析の結果が、繊維状粒子4繊維以上


「アスベストの含有なし」となる判定結果

分析結果の組み合わせが、次の④、⑤になる場合は、「アスベストの含有なし」と判定されます。

④ 繊維状粒子4繊維未満(分散染色分析法)、かつ、
    1試料でもアスベストの回折ピークあり(X線回折分析法)
           ↓ この場合は、再分析を実施
  分散染色分析法による条件を変えた再分析の結果が、繊維状粒子4繊維未満

⑤ 繊維状粒子4繊維未満(分散染色分析法)、かつ、
    全試料にアスベストの回折ピークなし(X線回折分析法)

定量分析

基底標準吸収補正法などによるX線回折分析法により定量分析を行い、アスベストの含有量を測定します。
X線回折装置を用いて、定量分析をします。


X線回折分析法

X線回折強度がアスベストの量に依存するため、既知のアスベスト依存量から生じる回折線強度と比較することで、試料中のアスベスト含有量を調査する方法です。

 
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